もう随分と以前のことだが、友人の自衛官と飲んでいる時にこんな質問をしたことがある。 「今度の指揮官、本当に優秀な方だそうですね。きっと幕僚長(自衛隊制服組トップ)まで昇るんでしょうね」 すると相手は二人して、微妙な顔をする。 「確かに優秀な方なんですけど…。頭が良すぎて何言ってんのかよくわからないんですよね」 「優秀すぎて、なんというか…」 言葉を選んでいるが、好意的な意味で言っているわけではないことは明らかだ。 “優秀”“頭が良い”という言葉を、ネガティブな意味で使っている。 (将来、トップに昇るかもしれない優秀な人だと、やはり突き抜けすぎているのだろうか…) 当時はそんなふうに解釈したのだが、違った。 それからずいぶん経った後年、驚くような事件とともに、この時の違和感の本当の意味を理解することになる。 「言われた通りにやりました」 話は変わるが、自衛隊で4万人近い大組織のトップを務めた

