#5 ほとんど話したことのないクラスメイトのこと 世界憎み力(せかいにくみりょく)、みたいなものが減退しつつある。 いや、違う、待ってほしい。一行書いただけで、「ならばお前は無価値だ」という声と、「それにしては怒りすぎでは?」という声が左右から同時に聞こえてくるような気がする。ちょっと待ってほしい。どちらの言い分もよくわかります。 いきなりテンパっていてすみません。この告白がどれほど勇気を要するか、わかってほしい。ほとんど懺悔に近い。 仮に。理不尽な目に遭ったとき、自分を守るために自分以外のすべてを憎み、ギリギリ生きていく原動力に変えるエネルギー、みたいなものが存在するとする。 そしてそれを、仮に「世界憎み力」と呼ぶとして、わたしの世界憎み力のピークは十七歳から二十歳の三年間くらいだった。 高校生のときだ。中高一貫の女子校だったので、まるまる六年間を同じ女の子たちと過ごした。 友だちが少な