この連載を通じてずっと問いかけられてきたのは、「働くこと」とは何かということだった。この難問に明治大学文学部教授の齋藤孝先生とサイボウズの青野慶久社長が答えを出すべく対談した。これから社会に出ようとしている若者たちをを聴衆として、「働くこと」のプロである彼ら2人から語られる言葉は、もはやこれまでの働き方では通用しないと言われる時代において、重要なヒントとなるものであった。 働くことを自己実現だと思っている 君は間違っている 齋藤 私が考える働くことについての概念は「自己実現」より「他者実現」です。よく働くことについて、「自分のやりたいこと」を出発点として考える人が多いと思うのですが、むしろ、「やるべきことをやる」「求められていることをやる」というのが、仕事の出発点としては本質だと思います。 青野 仕事といえば、何かと「自己実現」と思いがちですが、「それは違う」というところから入るべきだと僕
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