今週のコラムニスト:李小牧 もう怒った。いい加減にしてほしい! 李小牧が腹を立てているのは、しつこくみかじめ料を要求するヤクザでも、バックチャージの金額をごまかそうとしている風俗店でもない。新宿・歌舞伎町だ。 なぜ歌舞伎町案内人が歌舞伎町に腹を立てるのか? その答えを知りたければ、昼間の歌舞伎町に来てほしい。ネオンが輝く夜には闇にまぎれて見えない「奴ら」が、7月の太陽の下で堂々とストリートを行進している姿を見ることができるから――。 かつてはヤクザの「行進」が名物だった歌舞伎町で、今彼らに代わって町を練り歩いているのはネズミとゴキブリ。栄養がいいためかゴキブリはどれも超巨大で、ネズミにいたっては体長30センチ級がゾロゾロいる。 ネズミやゴキブリがわが物顔で「君臨」できるのは、歌舞伎町がゴミの町だから。セントラルロード、さくら通り、東通り、わが一番街、区役所通り......。歌舞伎町1丁目の