米露首脳会談の直後の逮捕劇で憶測を呼ぶロシア・スパイ事件だが、スパイ集団は核兵器研究の関係者やオバマ政権高官も標的にしていた可能性がある まるで冷戦時代を彷彿とさせる事件だ。アメリカ政府は28日、一般のアメリカ人を偽装していたロシアのスパイ集団を逮捕した、と発表した。逮捕された10人は直接のスパイ容疑で逮捕されたわけではなく、今のところはマネーロンダリング(資金洗浄)や、事前登録のないまま外国政府の要請に基づいて政治活動を行った疑いがもたれている。ロシア外務省は29日、事件を「根拠がなく誤りだ」と強く否定した。 FBI(米連邦捜査局)の捜査はずっと続いていた。捜査当局者によれば、捜査期間はおそらく10年近くに及ぶ。逮捕の数日前には、訪米中のドミトリー・メドベージェフ大統領がバラク・オバマ米大統領と米露関係の新時代を宣言したばかり。なぜ、捜査当局はこのタイミングでアメリカに潜入していた10人