喜怒哀楽という摩訶不思議がある。 それがひとの精神世界を支配している。しかしこの四つのくくりはいささか大雑把すぎるのでは、と所感をいだく。神は意外と杜撰である。 しかし、そのなかでも「怒」というのは異質ではなかろうか。なぜならば怒りは他のどの感情よりも前提として、他人に向かっていることがおおいからである。 「喜、哀、楽」は個で終息することが多い。もちろんそれらは波紋となって他者に伝播展開することもあるだろう。 しかし本然、これらは当事者のなかで咀嚼、嚥下、消化されるものだと思う。しかしこの「怒」だけは吐瀉するようなものである。しなければすっきりしない。 しかし、それを我慢して煮湯呑みするのが大人の感情のコントロールである。 実例を申し上げる。 先前、私は妻と諍いごとをおこした。私も妻も30年生きたのでそれなりにディスカッションで対応した。しかしこれ、少し感情のやりかたを間違えれば今後の人生