嫌いというより存在を認めたくない。 あんな美しいアニメキャラの声を出しているのが醜い人間だなんて認めたくないのだ 声優の存在を知ったのは小学生の頃だろうか。 何かで「アニメーションと言うのはパラパラ漫画の要領で、幾つもの絵を連続して映すことによりさも動いているかのように見せているのだ」ということが描いてあった。 正直ビックリしたものだ。 アニメの中の彼らは、それこそ生きているとしか言いようのない存在感を放っていた。 そして一回のアニメの放送時間は三十分だ。あれらを30分もの間、動いているように見せるために一体どれだけの労力と枚数が必要なのだろうか。冗談だろう?と思ったものだ。でも冗談でも嘘でもなくこれは本当のことらしい。 あまりのことに想像が追いつかなくなって思考は別の方向に動いていった。 では声は? アニメのキャラクターや世界がテレビの中に存在しているのではなく、絵によって作られたものだ