私の今年2冊目の本が、アスキー新書から来週出る。序文をそのまま引用しておく: 現代では、だれもコンピュータなしで暮らすことはできない――というと、「私はコンピュータなんかさわったこともない」という人もいるだろう。しかし日本の携帯電話(PHSを含む)の契約数は1億台を突破し、ほぼ1人に1台がもっている。その中には通信などの機能をつかさどるシステムLSI(大規模集積回路)が入っており、これは数センチ角の小さな半導体だが、CPU(中央演算装置)やメモリをそなえた、立派なコンピュータである。 この携帯電話用LSIに集積されているトランジスタの数は、最新機種では8800万個にのぼる。これは、1955年にIBMがトランジスタを使って最初に開発した大型コンピュータに使われたトランジスタ数、2200個の4万倍である。かつてはコンピュータ・センターを占拠していた巨大なコンピュータの4万倍の機能が、あなた