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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (3)

  • 『月がきれい』が好きな人は、『東雲侑子』を読むといい

    『月がきれい』が好きだ。 『月がきれい』は、中学生の淡い恋を柔らかく描いたアニメだ。これを観るのが、楽しみのような苦しみになっている。 初心な二人が、ゆっくり恋を育てていく様子が愛らしく、その嬉しさ恥ずかしさが甘酸っぱく伝わってくる。その一方、劣等感と自己嫌悪に苛まれていた自分の過去を思い出し、苦しくなる。 作中、ある重要なタイミングで、村下孝蔵の『初恋』が流れたとき、涙が止まらなくなった。これ、二人がずっと後になって振り返ったとき、あの日から互いの人生が重なり始めたんだということが、視聴者にだけ分かるという演出になっている。シナリオゲームでいう分岐点だね。「好きだよ」と言えずに初恋が終わるルートなのか、「月がきれい」と伝えた夜から始まるルートなのか。 恋が終わってしまう分岐は沢山ある。「想い」に気づかないうちにクラスのみんなにからかわれるエンド。告白玉砕エンド。LINEがつながらなくてす

    『月がきれい』が好きな人は、『東雲侑子』を読むといい
  • 古典は、頭を鍛え、社会を学ぶ、最強の格闘場だ『闘うための哲学書』

    手に汗握る、言葉による殴り合い。 哲学書をダシに、理想主義と現実主義が、足を留めて殴りあう。丁々発止が凄まじく、知的興奮は否が応でも漲ってくる。哲学とは対話を通じて考え抜く、動的な行為である。静的な書物とは、薪であり、燃料であり、知的な土俵なのである。なかでも古典は、時代のフィルターを経て結晶化されている。現代の価値観から裁定するのではなく、現代の問題に引き付けて、どこまで説明原理が可能かを模索することにより、古典は、最高の爆薬になる。 ブックガイドとしても優秀だ。二人の現役哲学者が、プラトンから和辻哲郎まで、22人22冊の哲学書を引用し、「いま」「ここ」の問題に実践的に適用する。非常に面白いのは、理想主義の小川仁志と、現実主義の萱野稔人とで読みが異なってくるところ。アクチュアルに読む、とはどういうことか、実例をもって示してくれる。 たとえば、カント『永遠平和のために』を俎上に乗せ、「平和

    古典は、頭を鍛え、社会を学ぶ、最強の格闘場だ『闘うための哲学書』
  • この本がスゴい!2014

    人生は短く、読むは尽きない。 せめて「わたし」が知らない凄いと出合うべく、それを読んでる「あなた」を探す。それがこのブログに込めた意味であり、このブログを通じて数え切れないほど「あなた」に教わった。「自分の興味=世界のすべて」という独善に陥りそうなわたしの蒙を何度も開いてくれた。そんな「あなた」に感謝を込めて、今年読んだ中から選んだ。 ここで紹介するのは今年読んだスゴの一角かつ100%わたしの趣味だ。もっと多様でさらに熱いのを求めるなら、facebook「スゴオフ」をご覧あれ。面白いをリアルに相互に紹介しあう、宝の山脈になっているから。 フィクション きんいろモザイク 原悠衣 芳文社 かわいいは正義だ。 大事なことだからもう一度、かわいいは正義だ。痛勤電車で揉まれ、仕事でシバかれ、暗い欲望に惑いまくりの中年には、可愛い女子高生のゆるふわな日常が、ものすごく効く。ギスギス息苦しい空

    この本がスゴい!2014
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