本記事ではハードグルーヴという言葉を、旧来のハードミニマル、ハードテクノの流れを汲む一連のシーンを表す語として使用しています。また、ミニマルという言葉はドイツから発生した、いわゆるクリックテクノの流れを汲む、音数の少ないディープな音を表す語として使用しています。この文章は、ハードグルーヴ視点から近年のミニマル化の流れを追うものとして書いています。 2005~2006年は変化の年、2007年~2008年は多様化の年であったのに対し、2009年はシーンの新たな方向性が徐々に定まってきた年でした。 1990年代中期以降に主流となってきたハードミニマル・スタイルが様々な要素を取り込みながらどんどんと拡大・発展していきましたが、その表現形態も2004年前後には飽和してきて、ハードミニマル・スタイルの延長にて新たな表現を獲得することは困難を極めていました。そんな中、ディープミニマルの延長として、ドイツ