前々回の記事では、現代と10000年後の春分を比較して議論をしましたが、 これはこの10000年間の春分年の平均の長さを議論したことになります。 そこで今度は、特定の年の春分年の長さがどうなるのかできるだけ定性的な解説を試みます。 天文年鑑2011年版によれば、 近点年 365日 6h 13m 52.568s 恒星年 365日 6h 09m 09.764s 回帰年 365日 5h 48m 45.189s です(天文年鑑では回帰年を太陽年と表記)。 回帰年と恒星年の関係は、 回帰年 = 恒星年 - 1年分の歳差に相当する角/地球の平均公転角速度 です。つまり、歳差は空間に対して逆行しているので、1年分の歳差に相当する角を地球が運動する のに要する平均時間の分だけ恒星年より短くて済むのです。 簡単のため、摂動などによる近日点移動がないものとすると、近点年と恒星年とを同一視できます。 この場合、