大事な野球の大会、準々決勝で勝ち越し打を放ち拳を突き上げる寺田春介さん=東京都杉並区で2022年11月6日、梅村直承撮影 2022年11月、東京都杉並区の野球場で、桃二少年野球部の寺田春介さん(11)は拳を突き上げた。区外の強豪も迎えて、37チームで優勝を争う大会の準々決勝、同点の場面で勝ち越しの適時打を放った春介さんの姿に、ベンチの仲間たちも大きな声で応えた。妹の美花さん(6)とゲームを楽しみ、友人と野球で泥だらけになる。春介さんの当たり前の日々が今あるのは、偶然が重なり、多くの人の助けがあったからだ。11年の東日本大震災、巨大な津波が東北を襲った次の日、3月12日に、彼は宮城県石巻市で生まれた。 【震災翌日に生まれた春介さんの成長の様子はこちらから】