ホストとオープン系システムを統合し、プライベートクラウド化した江戸川区。課題はそのデータ保護と可用性の担保だった。事例に加え、クラウドにおける可用性を担保する具体的な手法を詳細に解説する。 企業システムのプライベートクラウド化を考える上では、データとサービスの保護を重視する必要がある。そのため、データ保護をつかさどるバックアップの視点では、「クリティカルなアプリケーションの仮想化を妨げないこと」と「管理性を損なわないようにバックアップウィンドウを削減すること」が非常に重要だ。一方で、サービスの保護を担保する可用性確保の視点では、「クラスタの切り替え時間の短縮」を重視しなければならない。 従来手法ではプライベートクラウド内のデータ全てを毎回フルバックアップすることは不可能だった。しかし、データ保護と整合性維持のためにはフルバックアップイメージを持つ必要がある。また、可用性担保のためには障害発