PM(プロジェクトマネジャー)の大事な仕事の一つに、協力企業の「査定」がある。この査定には通常2種類ある。一つは、協力企業から提出された見積もりの妥当性を調査・検証すること。もう一つは、協力企業の行った仕事・成果を検証し、支払った金額に見合うものであったかどうかを判断することである。 後者の査定は結果が全てを物語っているので比較的容易だが、前者の査定はこれから始まるプロジェクトに対するものなので、判断は難しくおろそかにしてしまいがちである。特に長年一緒にやってきた協力企業の見積もりとなると、そうした傾向は強くなる。 十分な信頼関係が醸成された協力企業の見積もりの場合、相手を信頼するが故に、その根拠について根掘り葉掘り問いただすことは少ないかもしれない。しかし、こうして査定をおろそかにしてしまったばかりに、痛い目に遭ったPMがいるのもまた事実である。 中堅社員Tさんの失敗 Tさんは30代も半