東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から11日で10年になる。この間に太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電は世界で拡大。一方で原発事故を起こした日本の再生エネの導入比率や将来の目標は、欧州に大きく後れを取ることが、国内外の統計や資料の分析で分かった。再生エネ関連の開発を成長戦略のけん引役にする方針の菅政権だが、このままでは「周回遅れ」が固定化しかねない。(妹尾聡太) シンクタンクの独アゴラ・エナギーヴェンデと英エンバーは1月、欧州連合(EU)27カ国の発電電力量に占める再生エネの比率を発表。2020年は38%で、初めて石炭などの化石燃料(37%)を上回った。再生エネ比率はドイツ(45%)などで40%を超えた。 一方、国際エネルギー機関(IEA)の速報値では20年1~11月の日本の再生エネ比率は22%で、40%台の欧州各国の半分ほどの水準にとどまった。太陽光発電は増えたが風力が伸