パブリッククラウド利用の目的として、最も典型的なのがコスト削減だろう。ただしパブリッククラウドを利用することによって、コストをぎりぎりまで切り詰めていこうとすると、やっかいな問題に直面する。取材で浮かび上がったのは、「ピークに合わせたリソースを確保したままになる」「ベストなクラウドサービスが短期間で入れ替わる」「クラウドサービスが過剰品質である」という三つの無駄である(図5)。これらがコスト削減の効果を妨げる。 これらの無駄を取り除くにはどうしたらよいのか。以降で一つずつ、現場の工夫を見ていこう。 仮想マシンのアイドル時間をなくす 電化製品を使い終わったらすぐスイッチを切るのは、省エネの基本。同じことは、パブリッククラウドの利用についてもいえる。パブリッククラウドでは、処理負荷の増加に合わせてリソースを柔軟に増やせる。例えばAWSでは、1時間刻みの課金メニューを選ぶことができる。必要な分だ