〜「憲法おしゃべりカフェ」で流布されている〜 「緊急事態条項」をめぐる「四つのデマ」を検証 小口幸人(弁護士) 自民党が最近、憲法改正の主要テーマとして掲げている「緊急事態条項の創設」。災害などの「緊急事態」に際して、首相に権限を集中させ、通常なら許されない人権制限なども一部可能にするというものです。今年4月の熊本での大地震の直後にも、菅義偉官房長官が記者会見で「(憲法への緊急事態条項創設は)極めて重く大切な課題だ」と述べるなど、その動きは止まりません。 この緊急事態条項については、法律家を中心に、その強大な権限の濫用への懸念が相次いでいます。しかし、「災害対応のために必要」と言われれば、「少々の我慢は必要なのかも…」とも思ってしまいがち。実際に、政治家の発言だけではなく、憲法改正を訴える集会や勉強会、一部のテレビ番組などでも「東日本大震災のときには、緊急事態条項がないためにさまざまな犠牲