カメルーン共和国には全長1600kmに渡り火山が並ぶ地帯(カメルーン火山列)があります。この火山列で1980年代に2度の災害が発生しました。火口湖(火山の火口にできた湖)であるマヌン湖とニオス湖から突然噴き出した大量の二酸化炭素が、谷を伝ってふもとの村に流れ込み、多くの住民を酸欠死あるいは二酸化炭素中毒死に追いやったのです。 マヌン湖とニオス湖では、二酸化炭素を含む水が湖底から湧き出しています。二酸化炭素は湖水に溶け込み蓄積します。そして何らかのきっかけで急激にガス化し、湖水とともに噴き出すのです。この現象はそのすさまじさから「湖水爆発」とよばれています。本課題の目的は二酸化炭素による災害から尊い人命を守ることです。そのために、湖水爆発が起こる条件を調べたり、二酸化炭素を多く含む水を湖底から汲み上げる設備を造るといった取り組みを行っています。