ブームはやや穏やかになったものの、音楽カルチャーの中での大きな潮流として確固たる地位を確立しているアイドルシーン。その需要と熱気の高さは、アイドル楽曲の持つ音楽的な多様性による部分も大きいだろう。もちろん歌謡曲の時代からクオリティの高いアイドル楽曲は多数リリースされてきたが、現在のアイドルソングは楽曲の高いクオリティに加えて、多様性や実験性という部分も注目されている。そして現在では、その中でも“ラップアイドル”が人気を高めている。全4回を予定する本連載では、その現象を紐解いてみたい。 文 / 高木"JET"晋一郎 編集 / 土館弘英 存在感を高めるラップアイドルアイドルという存在が広範囲にわたり、アイドルという存在に対する固定観念が弱くなり、アイドルという“器”が大きくなったことで、新しい音楽ジャンルやカルチャーとの横断や、新進気鋭のミュージシャンやプロデューサーの参画といった動きが加速、