円城塔氏と中上紀氏、そしてコーディネーターとして如月かずさ氏を加えた三名が創作を志す東大生へあれこれ言うという内容で、夢や希望に溢れた話になっているかというとまったくそんなことはなく、小説家の絶望と苦境がのべられつづけるという創作志望者にはなかなかつらかったかもしれないトークショーでした。一番メッセージとして伝わってきたのは「創作を志すんだったら安定した職をゲットしてから志すべし」というもので、その理由も数多くあげられていて、どれも納得できるものでありました。 たとえば、30歳で作家になったとして、年2冊本を出したとする。というかそれぐらい出さないと、生活していけない。そうした場合70歳で一応仕事をやめるとして、専業作家で生きていくためには80冊もの本を出さねばならない。司馬遼太郎だったら出来るが、普通の人は80冊分も書くことが、果たしてあるのか? 「書きたいんです!!」と熱意を持っていっ