すぎじいさんから、先日の知財セミナーのエントリーに対して、「自分にとって正しい評価をのぞむ技術者はアメリカに行けということでしょう。」いうコメントを頂き、以下のような記事を思いだした。大手エレクトロニクス・メーカー主催のパーティーで、ある役員は熟柿(じゅくし)臭い息を吐きながら私にこう言った。 「モノづくりは実に面白い。その面白いことを毎日できるわけだから、技術者の給料は安くてもいいのです。それで十分幸せなんですから。」 そういう考えもあるのかと感心した。理系離れを阻止する目的で、小中学生を対象とした科学の面白さを体験するイベントを開こうという発想も、根は同じなのかもしれない。 だが、いずれも抜本的な解決方法ではないと私は思う。理系人気を高め、技術者の質を高めたいと本気で考えるなら、身が引き締まるほどの報酬を技術者に与えなければならない。技術者はそれに応え、報酬の原資たる利益の創出に邁進す