【ニューデリー=田原徳容】インドと中国が領有権を争うカシミール地方のインド側支配地域に、中国軍部隊が侵入したとしてインドが抗議している問題で、印外務省幹部は1日、中国軍が複数箇所にテントを増設していることを明らかにした。 両国軍関係者は30日に3度目の会談を行ったが進展はなかった。 同幹部によると、テントは現在5つあり、両国の実効支配線から約20キロもインド側に入った場所にも拠点が築かれているという。30日の会談で中国軍側は、両国の実効支配線付近の印軍拠点の撤去や道路整備の中止などを要求。一方、印軍側は中国軍の完全撤収を訴え、物別れに終わった。 インドのシン首相は「現場で解決できる問題」との認識を示しているが、同幹部は「しかるべき立場による話し合いが急務」と指摘している。