15歳で芸能界デビューしてから女優はもちろん、脚本家、作家、書評家としても活動の幅をひろげ、ひとつずつ夢をかなえてきた中江有里さん。内向的だった幼少期、4つの高校を転校し卒業したアイドル時代、本がライフワークだと気づいたNHK-BS「週刊ブックレビュー」。「自分は、ウサギではなくカメ」という中江さんに、これまでの人生の転機を伺いました。(「文藝春秋」2022年1月号より) ◆ ◆ ◆ すごく無口な子だと思われていた 本好きになったきっかけは、まだ小学校に上がる前に、お医者さんの待合室で見たマリー・ホール・エッツの『わたしとあそんで』という絵本です。「遊んで」とは言えない内向的な子だったから心に残ったんでしょうね。何度も繰り返し読みました。