賛否両論ポイント4:空想科学の楽しさやロマン/現実に即したメッセージ性には欠ける 『シン・ゴジラ』には明らかに3.11を経験した、災害の多いこの国に住む日本人を鼓舞するメッセージが見てとれた。だからこそ怪獣映画という枠を超えて強い支持を集めた、普遍性を獲得した作品だったと言えるだろう。 だが、『シン・ウルトラマン』で描かれる物語はフィクションとして完結する内容であり、そうした現実の情勢に、タイムリーにフィードバックできるようなメッセージは受け取りにくい。強いて言えば、陰謀を企む外星人の登場がコロナ禍などにより混乱に陥った世界での「正しさ」を認識する姿勢につなげられる、人々の縁が事態の解決を導くということくらいだろうか。 だが、空想科学としての楽しさやロマン、ウルトラマンという作品の本質を追求した内容こそ肯定できるという方もいるだろうし、現実の世界に即したメッセージ性などなくても良いと思える