羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故を受け、国土交通省は9日、管制官が「ナンバー1(1番目)」などと出発順をパイロットに伝える運用を当面見合わせる方針を示した。管制官とパイロットのやりとりは現在も音声による無線通信が使われており、誤認や聞き間違いなどによるトラブルは後を絶たない。最先端技術が結集されたともいえる航空システムの中で、なぜ長年、無線通信が使われているのか。 世界有数の過密空港として知られる羽田空港で2日に起きた日航機と海保機の衝突事故。交信記録によると、管制官は「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と海保機に指示。機長は「向かいます。1番目」と復唱したが、そのまま滑走路に進入し、着陸した日航機と衝突した。 C滑走路脇に横たわる日航機の残骸(奥)。手前は離陸のため滑走路に向かう日航機=4日午前、羽田空港(酒巻俊介撮影)国交省によると、空