博報堂で企業のPR活動に関わり、雑誌『広告』の編集長を務め、現在はクリエイティブエージェンシー「博報堂ケトル」を立ち上げて、企業広告から本屋B&Bの運営まで多彩な仕事を手がける嶋浩一郎さん。2016年2月15日(月)に開催された講義で語ってくれたのは、クリエイティブディレクションのキーとなる「インサイト」と、メディアごとに異なる「作法」について。その内容を、ぎゅっと凝縮してお届けします。 欲望は、目の前に出されてはじめて自覚するもの。 「アウトプットがきちんとワークするのは人々の欲望をとらえているから。20年間、企画の仕事をしてきて、これは真理に近いと思っています。人の欲望、マーケティング的には『インサイト』と言いますね。よく企画書に『ターゲットのインサイトは』なんて言葉が登場しますが、残念ながら、真剣にインサイトのことを考えている企画って世の中にそんなにないのが実情。今日はインサイトをど