「たけくらべ」「にごりえ」などの作品があり、24歳で亡くなった明治時代の小説家・歌人の樋口一葉。短い生涯の晩年、生活に困窮した彼女が通った質屋の建物が東京・本郷に残っている。国の登録有形文化財で、文人の生涯をしのばせる貴重な建物だが、存続の危機に陥っているという。 一葉が通ったのは、本郷の菊坂に面して立つ「伊勢屋質店」。関係者によると、質屋は1860年の創業で、現在、店舗のあった「見世」と土蔵、座敷棟の三つの建物が残る。いずれも明治時代の建築。1982年に質屋を廃業後は、スタジオとしてドラマの撮影に貸し出すなどしていた。また、年1回、一葉の命日の11月23日に内部が公開されてきた。三つの建物は、2003年に国の登録有形文化財になった。 登録有形文化財は、国宝や重要文化財と異なり、修理や解体に文化庁長官の許可を得る必要がないなど規制は緩やか。ただ、修理の費用は、設計監理費以外に補助はない。
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