大和盆地の中央に位置する奈良県の川西町は古くから交通の要衝として栄えた。近畿日本鉄道橿原線の結崎駅は川西町の玄関口であり、駅前の広場に本物の古墳が鎮座するという全国でもユニークな駅である。 大阪、京都まで近鉄線で1時間という利便性から川西町では住宅団地や工業団地が開発された。コロナ禍前には1日におよそ2000人が結崎駅を利用していた。川西町の人口は8300人。コロナ禍前は町民の4人に1人が結崎駅を利用していた計算だ。町にとって必要不可欠な駅である。 6月5日日曜日の朝、結崎駅を降り立つと駅前広場に集まった人の多さに圧倒された。町や近鉄が共同で進める同駅周辺の整備事業の一環として駅舎のリニューアル工事が行われ、ようやく新駅舎が誕生。その完成を祝うイベントがこの日、開催されるのだ。住民たちによる飲食ブースが多数出店し、地元中学校の吹奏楽部が演奏で会場を盛り上げる。町を挙げてのお祭りだ。 故郷の