吾輩は猫である。名前はまだ無い。 文豪・夏目漱石の著書『吾輩は猫である』の冒頭部分である。 1867年(慶応3年)に生まれ、1905年に『吾輩は猫である』を発表。 以後、『坊ちゃん』『三四郎』『こゝろ』『明暗』と、次々に著名な作品を執筆し、1916年にこの世を去る。 文学に関心がなくても、わずか10年足らずで書き残した名作の数々を、一度は耳にしたことがあるだろう。 しかし、私たちは彼自身について、ほぼ無知である。 どんな出会いがあり、どんな弊害を乗り越え、どんなふうに生涯を終えたのか。 波乱の人生を歩んだ夏目漱石の人生を知れば、作品を既読した人はより親しみを持って読み返せるし、未読の人は読書欲に駆られるきっかけになるはずだ。 今回、新宿区早稲田南町にある『漱石公園』を訪れ、夏目漱石の生涯を学んできた。 なかでも面白いと感じたエピソードを、漱石公園の案内人:Tさんの解説と共にご紹介しよう。
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