襲われた男性が暮らしていたテント周辺。大阪市のテープなどで囲われていた=4月中旬、大阪市住之江区、丸山写す 今年2月、大阪市住之江区内で、野宿者の男性が少年と見られる4人組に襲われ重傷を負った。府警は傷害事件として捜査しているが、事件は発生時から発表されず、今も未解決だ。生活保護を受ける人が増えて路上生活者は減る一方、行政の排除が進み、路上に残された人は孤立している。襲われる危険性は増していると支援者らは指摘している。男性は今も入院したままだ。 ◇ ブルーのテントは、遊歩道沿いに並んでいた。気温は0度近くに下がっていた。 2月2日午後9時、突然声が響いた。「ホームレスは出てけー」。50代の男性は息を殺していた。数日前から少年グループがテントにものを投げたり、野宿者をののしったりしていた。 男性は隣のテントに助けを求めたが不在。自転車が倒される音がした。自分のテントに戻ると