(英エコノミスト誌 2009年11月14日号) 中央銀行と金相場 200トンの金は一辺が2メートル余りの立方体になる。小さなベッドルームに収まる程度の大きさだ。だが、インドが先月、それだけの金を国際通貨基金(IMF)から購入した時は、市場にとてつもなく大きな影響を及ぼし、金価格を1トロイオンス=1100ドルを大きく超える水準にまで押し上げた。 金の強気筋にとって、それが意味するところは明白だ。各国中央銀行はもはや他国政府の信用力を信じていない、ということだ。そして中央銀行が信頼しなくなったのだとしたら、民間の投資家も同じように信頼をおかなくなるはずである。 中国が追随すれば、1トロイオンス=1400ドルも視野 この論理の鎖の次の段階は、ほかの中央銀行が金の保有に殺到する(あるいは少なくとも小走りで駆け寄る)事態を想定することだ。カナダの資産運用会社グラスキン・シェフは、中国がインドに追随す