気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回から読む) 英国の古典派経済学者ロバート・マルサスは、1798年に有名な「人口の原理に関するエッセイ」、いわゆる人口論を発表した。彼は、人口は幾何級数的に急増するが、その食糧生産は算術級数的な緩やかな成長しかできないので、いずれ必ず貧困、飢饉が蔓延することになり、人口は天井に達すると論じた。 マルサスの議論は悲観的で合理的でないのか さらに、これを打破しようと、開墾や技術開発を積極的に行って、食料生産を増加させても、たちまち人口が増加してしまい、再び貧困と飢餓が蔓延することになる。人口増を制限しない限り、永久にこれが繰り返されるが、人為的な人口抑制は人間の本性から困難であるとした。この単純だが、極めて説得力に富む悲観的議論は、発表当時も