経済成長著しいインドに、新しい高速道路が完成した。東西と南北の主要な都市を経由して、アラビア海とベンガル湾を結び、インド国民10億人の熱い希望を乗せて走る夢の道路だ。 南部の都市バンガロールでは、毎晩、高さ15mもあるヒンドゥー教寺院に車が集まってくる。めがねをかけた僧侶R・L・デークシスが、新車にガネーシャ(ゾウの頭をもつヒンドゥー教の知恵の神)の祝福を与える儀式を執り行うのだ。「プジャ」と呼ばれるこの儀式には、自動車やトラック、スポーツ多目的車(SUV)はもちろん、オートバイや人力車もやってくる。ときには自転車や牛車の姿まで見かける。 運動器具の輸入会社で経理の仕事をしている23歳のメナカ・シェカランは、銀色に輝く新品のスクーターを手に入れると、早速、プジャの儀式を受けにやってきた。メナカはほっそりとした明るい瞳の女性で、ブランド物のジーンズと原色のチュニックを身につけ、黒いハイヒール
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く