本の作り手=作家と、本の売り場=書店の関係について考えたい、ということで、新刊小説『ビューティーキャンプ』、エッセイ集『マリコ、炎上』が刊行されたばかりの林真理子さんのファンが全国から集まるという、代々木上原駅前の幸福書房に取材にうかがった。作家の地元書店に集まるファンという切り口で取材するつもりだったが、お店がとてもいい。ごくごく小さな町の本屋さんだが、品揃えも陳列も工夫されていて、長時間いても飽きない。店長の岩楯さんのお話をうかがうと、まず、この本屋さんの魅力を伝えねばという気持ちになった。 ごく小さな店舗。 幸福書房は年中無休、朝8時から夜11時までの営業、岩楯店長と奥様と弟さんの3人で切り盛りしている家族経営の本屋さんだ。 8時にシャッターを開けると、まず、雑誌を出す。日々新しい商品が入る比較的回転率の高い雑誌は、生鮮食品のようなもので、岩楯店長は、八百屋みたいなものだという。高級