慎重な発言で次期首相の座に最も近づいている菅義偉官房長官(71)と、数々の失言で大臣を棒に振った桜田義孝元五輪担当相(70)が実は似ていることをご存じだろうか。初めて小選挙区比例代表並立制で行われた1996年の衆院選で初当選した同期。政界入りまでの道のりも2005年に小泉内閣で副大臣になるまでの歩みもほぼ同じ。いや、実は桜田氏が先行していた。桜田氏を直撃した。 ◇ ◇ ◇ 衆院第2議員会館11階。桜田氏の事務所は菅氏の事務所と3部屋挟み、同じ並びにある。96年初当選同期の山口泰明党組織運動本部長によると、今もって菅氏のことを「菅」と呼び捨てにしている同期は桜田氏だけだという。「みんな、『長官』とか言っているが、俺は『菅』だね」と桜田氏。菅氏も「桜田」と呼ぶ。学年は1年違うが、それだけ似た歩みをしてきた。 農家の生まれで、高校卒業後、苦労して大学で学んだ。集団就職した菅氏が段ボール工場で