コロナは少子化を“急加速”させた 少子高齢社会は、感染症に対して極めて脆弱である。日本社会が年老いてしまった段階でパンデミックが起こったことは不幸としか言いようがない。 人間の身体にたとえて説明すれば、加齢に伴う“慢性疾患”で苦しんでいるときに、悪性の“急性疾患”にかかったようなものである。ただでさえ、国家としての基礎体力が消耗しやすいのに、より奪われていく。 人間でも体力を奪われると心に余裕がなくなり、マイナス思考に陥っていくが、これが「社会の老化」の正体である。それは社会のあらゆる分野に影響し、遠い将来にまで及ぶ。 コロナ禍が日本に残した最大の爪痕は出生数の減少、すなわち人口減少の加速である。現時点での傷はまだ浅い。だが、何年か後に「国家の致命傷」として多くの人が気づくことだろう。そうなってからでは、手遅れとなる。 真っ先に傷を負ったのは、妊娠届け出数や婚姻件数であった。新型コロナウイ