京都駅で「のぞみ」を降りようとした時、高齢の母親からスマホに着信があった。 電話をかけてくることなど、めったにない人だ。 なにか良くないことが起きたのかと、階段を下りながら慌てて対応する。 「もしもし、すごいじゃないのこの講演会の写真!もしかしてこれ、今話してる最中?」 (何かの記事をみて、嬉しくなり電話をしてきただけか…) ご機嫌をとりながら少しばかり話し、電話を切る。 しかし、何かがおかしい。 言っていることがズレている上に、気のせいか滑舌も悪い。何よりも、そんな電話を平日の昼間にかけてくるなど、絶対にしない人だ。 そんな漠然とした違和感は、その日の夜に答え合わせがある。 「もしもし、ヤスノリか?オカンが意識不明で家で倒れてた。今、病院に搬送中や」 そう話す兄の向こう側から聞こえるのは、救急車のけたたましいサイレン音。 (脳梗塞か…) 違和感を放置しなければ良かった、もっと話しておけば
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