世界中の首脳たちが、「エルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館を移す」という米国トランプ大統領の決定に困惑し、異口同音に異議を唱え、非難の声を上げている。ところがひとり、日本の首脳だけが固く口を閉ざし、不安げにあたりを見回している。世界第3の経済大国であることを誇り、トランプ大統領との緊密な関係を自慢している日本が、この問題に対して黙り込んでいる異常な光景だ。 米国のメディアを中心に、トランプ大統領の決定については、中東和平への具体的な道筋を描いての戦略的判断などではなく、中間選挙を有利に進めたいためなど内政が理由と報じられている。歴代の米大統領はイスラエルとパレスチナのトップ会談を設定するなど、和平実現に汗をかいてきた。トランプ大統領の決定はこうした努力を否定する自己中心的なものである。 同時にこの決定は中東に新たな悲劇を生み出す。ガザ地区を実効支配するハマスの指導者は「インティファー