空襲で焼け残った金シャチを元に作った金の茶釜。河村たかし名古屋市長はこの茶釜を再び溶かし、「本物」の金シャチを作る意向だ=名古屋市提供 「本物」の金シャチを名古屋観光の目玉に−−。河村たかし名古屋市長が、旧名古屋城の金のシャチホコに使われていた金を使って新たな金シャチを作る構想を打ち出し、市役所内で物議を醸している。戦災で焼け残った金シャチの一部は「金の茶釜」に姿を変えており、河村市長はこの茶釜を溶かして金シャチを作る考えだ。だが実現には課題もあり、市幹部らは慎重な姿勢を示している。【三木幸治、高木香奈】 【昭和のニュース】空襲で焼け落ちる名古屋城 市によると、旧名古屋城は1612年にほぼ完成。天守閣の金シャチは徳川家の権力と財力を象徴しており、2体で320キロの金が使われたという。太平洋戦争末期の1945年5月の空襲で天守閣は焼失したが、金シャチ1体の一部の金6.6キロ分が残った。