最近、南鳥島のレアアース資源の報道がかまびすしい。科学技術庁傘下の海洋研究開発機構(海洋機構、横須賀市)が日本最東端の南鳥島周辺で、海底に堆積するレアアース(希土類)泥の本格調査に乗り出した、との報道である。本州から約1800キロ離れている南鳥島で、水深5000メートル以上の深海底からレアアース泥の分布範囲や埋蔵量の調査を深海調査船「かいれい」で行うというものだが、私の知る限り、成果が出るのは30年以上かかると考えている。 いまさら南鳥島の海底資源が「ブーム」になる不思議 調査船によると、南鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)には、ハイブリッド車に使われるディスプロシウムなどの有用なレアアースが国内消費量の230年分埋まっていると推定しているらしい。だが、なにも水深5000メートルの海底に探しに行かなくてもオーストラリアやカナダには、ゼノタイム鉱石中のディスプロシウムはいくらでもある。