昨年12月24日、カナダ・モントリオールの自宅で、がんのため死去したアニメーション作家のフレデリック・バックさんは日本のアニメーションにも影響を与えた。 バックさんは1924年、フランスのザールブリュッケン(現在はドイツ領)で生まれ、24歳でカナダに移住。テレビ局勤務を経て本格的にアニメーション制作を始めた。スケッチをそのまま動かしたような柔らかいタッチと鋭い文明批評を内包したテーマが注目され、「クラック!」「木を植えた男」で米アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。ほとんどの作業を一人でこなしていたため制作には膨大な時間がかかったが、アニメーションの語源である「命を吹き込む」を体現する希少な作家だった。 スタジオジブリの高畑勲、宮崎駿両監督も影響を受け、2011年にはジブリの企画でバックさんの足跡を紹介する展覧会が東京をはじめ全国で開かれた。特に高畑監督はバックさんを師と仰ぎ、自身の作品
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