日産自動車や神戸製鋼と大企業で不祥事が相次いでいる。その背景には「高品質・多品種少量生産・短納期路線」という日本的経営の限界がある。これは一見「まっとうな経営」にみえるが、実は静かに競争力を失わせていく。神戸大学名誉教授で、現在は同志社大学大学院の加登豊教授が、「まっとうな経営」に潜むほころびについて指摘する――。 相次ぐ大企業の不祥事の背景には「高品質・多品種少量生産・短納期路線」という日本的経営の限界がある。データ改ざん問題で謝罪する神戸製鋼首脳。(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ) 多品少量・高品質戦略の限界が露呈 神戸製鋼所のデータ改ざん問題、日産自動車の無資格者による完成車検査、タカタのエアバッグに関するリコールと経営破綻……。日本企業で品質に関連した深刻な問題が相次いでいる。 高品質を自他共に認める日本企業で、なぜこのような品質問題に関連した不祥事が起こるの