(英エコノミスト誌 2012年8月11日号) 中国企業と日本のハイテク大手の提携話が問題にぶち当たった。 「人間も動物である以上、100万人の動物を管理することは私の頭痛の種だ」。台湾企業、鴻海(ホンハイ)の会長、郭台銘(テリー・ゴウ)氏は今年そう言い放った。 鴻海グループの富士康科技集団(フォックスコン)事業は、中国最大の電子機器受託製造サービス企業で、米アップルの最先端製品の大半を生産している。 郭氏はその後、自身の発言について謝罪し、文脈を無視して言葉尻をとらえられたものだったと強調した。もしかしたら、そうだったのかもしれないが、8月上旬になると、郭氏が弱肉強食の掟を確かに信じていることを示す新たな兆候が見られた。 郭氏は今年3月、経営難に喘ぐ日本のハイテク大手シャープとの異例の提携を発表し、世間をあっと言わせた。鴻海と関連会社である富士康科技集団は、シャープの株式の約1割と引き換え