すいへーりーべぼくのふね……高校の化学の授業で誰もが呪文のように唱えたフレーズ。これは周期表(元素を原子番号順に配列した表)を暗記するための語呂合わせだが、ド文系の僕にとっては、HとかHeとかLiとかBeとか、元素なんてものは退屈なアルファベットでしかなかった。 本書『世界で一番美しい元素図鑑』(原題『The Elements』)は、そんな元素を世界一美しく見せてやると豪語する本だ。ちなみに、本書の日本語版は紙の書籍に先んじてiPad用アプリとして流通しており、そちらは周期表からワンタッチでお目当ての元素に飛べたり、画像を指でぐりぐり回転させられたりと電子書籍ならではの機能で評判になった。 一方、紙の本は図鑑らしく見開き2ページでひとつの元素を紹介し、左ページいっぱいに純粋状態の元素を、右ページに解説および特徴的な化合物・応用製品を配置している。さすがに独創性では電書版に劣るものの、でかで