「組み込み」という言葉は、業界用語としてはもちろんですが、一般用語としても通じるくらいに普及してきました。「組み込み」という言葉の後には、もちろん「コンピュータ」が省略されています。正しくは「組み込みコンピュータ」です。 「組み込み」もコンピュータです。このため、プログラムによって動作するという点で、パソコンやサーバー機と同じです。しかし、組み込みコンピュータは、パソコンやサーバーとは特性が異なっており、プログラムの開発には独特の難しさがあります。このため、組み込みコンピュータを対象としたソフトウエア開発者が、著しく不足しています*1。 *1: 2009年に経済産業省とIPAが発表した『2009年版組み込みソフトウエア産業実態調査報告書』によれば、組み込みソフトウエア開発の従事者は日本全体で約25万8000人で、約6万9000人程度不足している。 本連載では、組み込みコンピュータを取り巻く