最近やけに気になるものがある。「10年日記」である。ご存知だろうか。その名の通り10年使える立派な日記帳で,5000円ぐらいする。何種類か市販されているが,最大の特徴は同じ日付の日記を10年分一望できるレイアウトである。例えば,6月10日の日記10年分がすべて同じページ(あるいは見開き)に並ぶ。 初めて見たのは5~6年前だろうか。親戚の家に泊りがけで遊びに行ったら,そこのお父さん(昭和一桁生まれ,男性)が使っていた。パソコンも嗜み,年賀状印刷もデジタル化していた彼だが,日記だけは黒い帳面に細かい字で丹念に書き付けていた。 これのどこが面白いのか。「そやな,昨年や一昨年の同じ頃,何してたか分かるやろ?へえ去年はこんなとこ行っとった,孫の誰々が遊びに来たんやな,とか。これが結構ね。まあ,たいしたことはないのんやけど」と控えめに彼は言う。どうやら,続ければ続けるほど面白くなるらしい。ふーん。 だ
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