東日本大震災のとき、津波の被害を避けようと船を沖合に出す「沖出し」と呼ばれる行動が東北の太平洋側の各地で見られました。 しかし、この行動では津波に巻き込まれて亡くなる人も相次ぎ、水産庁の調査で、少なくとも23人が亡くなったことが確認されています。 次の巨大地震に備えて各地で始まった「命と船を守るルール作り」について、青森放送局の大川祐一郎記者、徳島放送局の永楽真依子記者、そして津放送局の田村銀河記者が取材しました。 東北では〜助かった命と甚大な被害 宮城県気仙沼市の三浦兼男さんは、3年前の3月11日、地元の漁協で揺れを感じ、生活の糧となる船を守ろうと考えました。 「ご先祖様から『沖に出せば、なんとか船を助けられるんだ』と教えられてきた。揺れに襲われたとき、それしか頭になかった」(三浦さん)。 三浦さんは、およそ30分で漁船へ到着し、すぐに船に乗って岸壁を離れましたが、200メートル