紛争や迫害から世界中で急増する難民。広がる格差や貧困の問題。貧苦はテロを生む温床にもなりリスクや不安を増大させる。企業や社会、そして我々はどう向き合うのか。こうした難題を解きほぐす最前線のムーブメントを追いかける。 難民問題に一石 ドイツ発「バーチャルクラス2.0」 2015年だけで難民申請者が100万人を突破したドイツ。受け入れを巡る世論が割れるなかで、20~30代の若者が中心となり難民向けの無料オンライン大学「キロン大学」を立ち上げた。 首都ベルリンの中心街から少し南に進んだ地域の中規模ビルにある「移民ハブ」。ソマリア大使館も入居するビルの6階には、朝から様々な国籍の人が出入りする。 ラシャ・アッバス(31)は14年9月、難民として3年間の滞在許可を得た。シリアの首都ダマスカスでジャーナリズムを学んでいたが、独裁政権下で女性がこの分野に関心を持つこと自体への嫌がらせもあり途中で断念して