26本対1本---。同じニュースを報じているのに、記事数では毎日新聞の26本に対して読売新聞はたったの1本。一体何のニュースなのか。森内俊之名人に羽生善治三冠が挑戦した将棋名人戦七番勝負の第3局である。 ニュースの価値判断は報道機関によって異なる。だが、「26本対1本」はちょっとおかしい。日本の主要紙はいわゆる「特オチ」を気にしながら、日ごろ似たような紙面を作っているだけに、なおさらだ。特オチとは、他社の紙面に載っているニュースが自社の紙面上に載っていないことだ。 ニュース価値にそれほど大きな差はないはずだが 具体的に見てみよう。佐賀県武雄市で開かれた第3局は、5月9日に羽生三冠の勝利で終わった。記事検索サービスの「日経テレコン」を使い、「名人戦」「羽生」「森内」の三つのキーワードで検索してみた。 第3局スタートを伝える5月8日付から羽生三冠勝利を報じる5月10日付までの紙面を対象に検索す
![将棋名人戦に見る主要紙の「偏向報道」(牧野 洋) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/372489352b9b4007716378b7b6e9d2b937a5088a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fcommon%2Fimages%2Fv3%2Fmeta%2Ffb_ogp-image.png)