「いつも不満に思うものにベタ面があります。色をバーンと使って強い作品をつくりたくても、CMYKや特色の1回刷りでは思ったような重さや深みはどうしても出てこない。2回、3回と重ね刷りをと思っても、ただ重ねればよくなるというものではありません。何回目で彩度が落ちるか、どこがもっともキレイに見えるか、どこまでやれば目指す色に到達するのか。その答えを手元に欲しいと思い、“重ね刷り”の指標をつくることにしました。色は事務所のコーポレートカラーであるPANTONE185C、そして銀インキ。PANTONE185Cは通常濃度のインキを使った場合と、薄めたインキを重ねた場合の2通りでつくってみました」